(+ (- 1 2) 5)と入れた後,行末でC-jを打つと
(+ (- 1 2) 5) 4という表示になり,計算結果が表示される. ここでは,変数や四則演算の演算子を前置した式 を書いてC-jをうつと,変数の値や,式の計算結果を 同じような形で表示する. たとえば,円周率を表すpiという変数や三角関数も すでに登録されているので,
pi 3.141592653589793 (sin (/ pi 4)) 0.7071067811865475というように電卓代わりに利用することもできる. Lispでは,( ではじまり ) で終わる式をS式とよび S式の値を計算することを評価 ( evaluate ) するという. Emacsでは上記の数値計算関数以外にも,リストデータを扱う lisp言語に標準の基本関数や Emacs Lisp特有の関数など何百もある. たとえば,ミニバッファへメッセージを表示するEmacs独特のものとして messageという関数がある.同様に,*scratch*バッファで,
(message "Hello World!")と書き込んで,行末でC-jを打つと このmessage関数が実行されて, ミニバッファにHello World!と表示され, *scratch*バッファでは,
(message "Hello World!") "Hello World!"という表示がなされ,message関数の結果が返る. Emacsでの,lisp-interaction-mode バッファの中では,C-jのほかに Lispの式を評価する方法として以下の二つの方法がある. これらの評価の結果はミニバッファへ出力する.
(* (+ 1 2) 5)で,数値1と2の間にカーソルがある場合には,評価結果は1になり, 2の次の右閉括弧の上にカーソルがある場合には,結果は2になり, 2の次の右閉括弧のすぐ右のスペースの上や数値5の上にカーソルがある場合には, 結果は3になり,5の右の右括弧の右側にカーソルがある場合には, 結果は15となる.
(* (+ 1 2) 5)の場合には,*の左側括弧から5の右側の 右括弧の後ろのどこにあっても評価結果として15となる.