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2.1 Emacs Lisp

Emacsを起動すると 最初に現れる*scratch*バッファは Emacs-Lispのインタプリタになっている. つまり,このバッファは lisp-interaction-mode というモードになってる. そこで,このバッファの中で
    (+ (- 1 2) 5)
と入れた後,行末でC-jを打つと
    (+ (- 1 2) 5)
    4
という表示になり,計算結果が表示される. ここでは,変数や四則演算の演算子を前置した式 を書いてC-jをうつと,変数の値や,式の計算結果を 同じような形で表示する. たとえば,円周率を表すpiという変数や三角関数も すでに登録されているので,

    pi
    3.141592653589793

    (sin (/ pi 4))
    0.7071067811865475
というように電卓代わりに利用することもできる. Lispでは,( ではじまり ) で終わる式をS式とよび S式の値を計算することを評価 ( evaluate ) するという. Emacsでは上記の数値計算関数以外にも,リストデータを扱う lisp言語に標準の基本関数や Emacs Lisp特有の関数など何百もある. たとえば,ミニバッファへメッセージを表示するEmacs独特のものとして messageという関数がある.同様に,*scratch*バッファで,
(message "Hello World!")
と書き込んで,行末でC-jを打つと このmessage関数が実行されて, ミニバッファにHello World!と表示され, *scratch*バッファでは,
(message "Hello World!")
"Hello World!"
という表示がなされ,message関数の結果が返る. Emacsでの,lisp-interaction-mode バッファの中では,C-jのほかに Lispの式を評価する方法として以下の二つの方法がある. これらの評価の結果はミニバッファへ出力する.

generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日