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リストの構造を変更する関数は環境に対して副作用を及ぼすため,通常のプロ
グラミングでは使いませんが,その副作用を積極的に利用する例としてリスト
構造を編集するプログラムを紹介します.
一般に,編集プログラムはエディタと呼ばれます.よく使うエディタはEmacs
などですが,これはテキストファイルを編集するテキストエディタで,テキス
ト中のデータの構造に依存したコマンドになっていません.そのため,Emacs
はさまざまなプログラム言語の作成や通常の文章書きに利用できています.
このようなテキストエディタとは異なって編集データの構造を知っていてその
構造に応じて編集を行なうものを構造エディタと呼びます.
Pascal言語などの構造エディタの例も以前作られましたが,それはPascalの構
文を知っていて,その構文に従ってカーソルを移動するような機能をもつエディ
タです.Lispでは,リストを扱う構造エディタを簡単に作ることができ,Lisp
のプログラム本体もリストで表現されているため,リストの構造エディタによ
りLispプログラムの編集が可能となります.
emacsのようなテキストエディタの例については,岩波のLisp入門の巻末にあ
るものを参考にしてみてください.
generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月6日