マイクロ・ソフトメカニクス統合体としての

高度生体機能機械の研究

Research on Micro and Soft-Mechanics Integration for Bio-mimetic Machines


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プロジェクトリーダー・コアメンバー

研究目的

研究計画の概要

研究体制

研究組織


プロジェクトリーダー:

いのうえ ひろちか
井上博允 東京大学工学系研究科機械情報工学専攻
〒113 東京都文京区本郷7-3-1


プロジェクトのコアメンバー:

ひろせ しげお
広瀬

茂男

東京工業大学工学部機械宇宙学科

しもやま いさお
下山

東京大学工学系研究科機械情報工学専攻

どひ たけよし
土肥

健純

東京大学工学系研究科精密機械工学専攻


研究の中心拠点:

東京大学大学院工学系研究科  機械情報工学専攻


研究の副拠点:

東京工業大学工学部 宇宙機械工学科
岡山大学工学部 機械工学科


研究目的:

 日本はこれから高齢化と少子化が急速に進みます。そのとき、高度の福祉サービス や社会のインフラを支える色々な作業を十分に実施していくためには、人間共存型の 知能ロボットの研究開発が不可欠です。私達が日常生活を営んでいる普通の空間で、 人間と密に触れあい、共に行動し、多様な作業を補助し代行するようなロボットを、 人間と親和性が良く、しかも、安全性の高いものとして実現するために、いろいろな 意味で柔らかい機械システムの開拓が望まれているのです。

 機械の柔らかさには機能的な柔らかさと物理的な柔らかさがあります。機能的な柔 らかさはコンピュータによる知的情報処理技術の進歩に支えられて近年大いに発展し てきました。それに比べて、機械の物理的な柔らかさの方は余り変わっていません。 生活支援ロボティクスのように人間と密にふれあう機械の安全性や親和性を高めるた めには、機械自体の柔らかさには今後大きな技術革新が必要です。機械の物理的な柔 らかさは、柔らかいボディー表面と柔らかいアクチュエーションを通じて実現されま す。すなわち、未来の機械は、知能の技術で発達してきた高機能マシンを、柔らかい 皮膚で包まれ、柔らかいアクチュエータで柔らかく動かされるソフトマシンへと進化 させる必要があるわけです。また、センサー複合型の柔らかい人工皮膚や超精密なメ カトロニック複合部品を作るためにマイクロテクノロジーは新しい手法となります。

 本プロジェクトは、マイクロメカトロニクス及びソフトメカニクスというキーテク ノロジーを開拓しつつ、この両技術を統合集積して、将来の社会で必要とされる高度 の生体的機能を備えた人間共存型知能ロボットを開発することを目指しています。


研究テーマ:

 未来志向の高機能バイオミメティックな機械を構成する基本技術として、機能的な 柔らかさを実現するための知能情報処理、筋肉に相当するソフトなアクチュエータ、 及び、皮膚に相当する柔らかいセンサー被覆を取り上げ、それらを統合集積すること によって高機能ロボットを開発することを具体的な目標としています。研究内容は次 の通りです。

(1) センサー分布人工皮膚:
柔らかい材料に分布型の触覚・圧覚・温度センサーと処理回路を埋め込み、自由な形 に機械を被覆しうるロボット皮膚の研究。音響共鳴型テンソルセルによる触覚センサ ー、導電性ファブリックを用いたセンサースーツ、大面積の自由曲面を有するロボッ ト表面にくまなく触覚を埋め込むための新しい人工皮膚構成法であるテレメトリック スキン、などを開発中です。

新しい原理による柔らかい触覚センサ

(2) ソフトアクチュエータ:
柔らかい動きを実現するための各種のアクチュエータとその制御法に関する研究を行 います。人間や動物の筋肉構成を手本として、多数の腱で拮抗して引っ張る方式のメ カニズム構成法により複雑な自由度の機構を単純に設計する手法を体系化する事を試 みています。また、空気圧、導電性ポリマー等、新しい原理による人工筋肉の可能性 についても検討しています。

直動型負荷感応無段変速機「X-screw」

ピンチローラアクチュエータ

空気圧ソフトアクチュエータの開発

(3) MEMSロボットハンド:
MEMSとはマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムのことです。微小なME MS歪みゲージをポリイミドやシリコンゴムなど柔らかい材料の上に密に並べた触覚 を作るなど、MEMSの技術を最大限に利用して人間の手指を手本としたロボットハ ンドに実現を試みています。

MEMS 技術により製作された接触センサ・アクチュエータ

小型空気圧人工筋を用いた人工手

(4) 全身型メカトロニック行動体:
柔らかく変形して外部環境になじむ動きをする全身型メカトロニック行動体を実現し ようとしています。肋骨と脊椎とを筋肉束で縦横に接続することにより、全体がねじ れたり伸縮変形できる構造の体幹部をつくり、その表面を柔らかいセンサー被覆で包 み込んだ構造の動物型のロボットを実現し、柔らかい自然な動きをさせようとしてい ます。

全身型メカトロニック行動体

(5) ヒューマノイドロボット:
センサー分布人工皮膚、ソフトなアクチュエータ、MEMSロボットハンド、などの 研究成果を統合し、機能的にも物理的にも柔らかい人間型のロボットを開発すること を目指しています。ハードウエアの柔らかさと、知的で柔軟なソフトウエアによって 、人間とヒューマノイドがふれあう時の安全性と親和性を高めることを試みています 。

ワイヤー駆動により柔らかく制御される脚機構

人間型ロボットの安定動作を生成するオートバランサ

分散プロセッサのネットワークにより制御される人間型ロボットによる持ち上げ行動

サイバネティック・ショルダ

(6) 低侵襲外科手術用マイクロメカトロシステム:
内視鏡下の手術、脳外科手術、小血管の縫合手術、などの微小手術をできるだけ小さ い傷口ですむようなやり方で手術するための、微小手術用のマイクロマシンを開発し ています。また、手術の様子を拡大して見せること、微小な手術を拡大して操作する 手法、手術情報を実体に投射して表示する三次元画像技術などを統合して、臨床用に 使えるマイクロメカトロシステムとしてまとめる予定です。

ドリームパイプと形状記憶合金を用いた腹腔鏡下外 科手術用能動鉗子

低浸襲外科手術システムの開発


研究体制:

<期間>
1996年4月〜2001年3月

<構成>
プロジェクトリーダー1名、コアメンバー3名、研究協力者20名(内日本学 術振興会研究員3名)で構成されています。この他、下記の研究室に属する大学院学 生が多数この研究に参加しています。

<実施場所>
この研究の主拠点は東京大学ですが、他大学との協力方式でプロジェクト を進めています。東京大学工学系研究科井上研究室、下山研究室、土肥研究室、中村 研究室、東京農工大学篠田研究室、東京工業大学広瀬研究室、岡山大学則次研究室、 が緊密な連絡を取ってプロジェクトを進めています。


研究組織:

プロジェクトリーダー
井上博允
東京大学・工学系研究科・教授

(1)センサー分布人工皮膚の研究

篠田裕之 (東京農工大学・工学部・助教授)

井上博允 (東京大学・工学系研究科・教授)

加賀美聡 (東京大学・工学系研究科・リサーチアソシエート)

(2)ソフトアクチュエータの研究

広瀬茂男 (東京工業大学・工学部・教授)

米田完 (東京工業大学・工学部・助教授)

福島E.文彦 (東京工業大学・工学部・助手)

中村仁彦 (東京大学・工学系研究科・教授)

岡田昌史 (東京大学・工学系研究科・リサーチアソシエート)

則次俊郎 (岡山大学・工学部・教授)

橋本浩一 (岡山大学・工学部・助教授)

(3)MEMSロボットハンド

下山勲 (東京大学・工学系研究科・助教授)

三浦宏文 (東京大学・工学系研究科・教授)

(4)全身型メカトロニック行動体

稲葉雅幸 (東京大学・工学系研究科・助教授)

井上博允 (東京大学・工学系研究科・教授)

岡田昌史 (東京大学・工学系研究科・リサーチアソシエート)

(5)マイクロ・ソフトメカニクス統合ヒューマノイド

井上博允 (東京大学・工学系研究科・教授)

中村仁彦 (東京大学・工学系研究科・教授)

近野敦 (東京大学・工学系研究科・助手)

加賀美聡 (東京大学・工学系研究科・リサーチアソシエート)

(6)外科手術支援マイクロメカトロシステム

土肥健純 (東京大学・工学系研究科・教授)

佐久間一郎 (東京大学・工学系研究科・助教授)

正宗賢 (東京大学・工学系研究科・助手)

伊関洋 (東京女子医科大学・講師)

鈴木真 (東京大学・工学系研究科・講師)