しおりてすとのおへや


じゃわすくりぷとを使ったページです。<style>タグとりぷとを用いてドラッグできる GIF ファイルを貼り付たという作りになっています。使った GIF ファイルとか背景(本来は背景ではなかろうが…)とかはあまり気にしないで下さい。あと、文章の整形していませんが、面倒なので放置しています。

と放置しておいたら苦情が来ましたので、背景(文字の羅列の方です)を変更しました。それに伴い、少々 HT 化致しました。

以前おいてあった文章は「狐と踊れ」(神林長平)に収録の「敵は海賊」です。

テキストが全てロードされてからでないと動かせないようです。御了承下さい。


 さて、ここで二席を紹介しちゃうのも何だから、(だって二席が、実質的には大賞だもんね)各賞の発表へいきましょう。まずは、審査員特別賞。
 吾妻特別賞は、目黒区の安木良典さん。
   裏 枕(うらまくら)
  第一段
 春はばけもの。
 やうやう白くなりゆく山ぎは、にわかに曇りて、だんだら染めなら雲の乱れ飛びたる。稲妻天に向ひて走るもをかし。ふりさけ見れば、几帳の陰に、おどろおどろしき者どもこそ重なりゐたれ。追はれて暗き廊下をひた走るに、黒髪みな逆立ちて細くたなびく。
 夏はへねもね。
 へねもねは稚児にも似たり。暑き夜、読経などして明かすをりに、うしろよりほと、と頭をうちたたきて逃ぐる、さてもさてもにくし。さりとて、闇夜にふねふねとすねこすりて歩くこそ、いみじうなまめかしけれ。八月つごもりのころ、道の辺にて生き腐りてあるはわろし。犬の半ば食らひてあるなど、いふべきにもあらず。
 秋はぞぞろけ。ひともどき。にゃらにゃら草。
 一つはさらなり、二つ、三つと出でたる月の、いみじう赤ければ、極楽達磨のまろび狂ふもことわりなり。明り障子もみな紅に染まりて、狂ひ舞ふ人の影のみ黒し。えもいはれず。えもいはれず。
 冬はあしきり。
 つとめて、ひとり広き野を歩くに、すすき野の、一面に白く枯れわたりて、すさまじげなるに、ふと足切らるる心地するはこれなり。あしきりにあひし人は、二、三日のうちに、必ず失せにけるとや。

  作者後記・すいません。
 といった作品です。思わず、「段々とシュールになってゐる古文調がよい。大好き!」と、編集部の選評まで旧かなづかいになったのでした。
 これもねー、ワープロでうちにくいことは前の農宿と一緒なんだけど……これは、楽に、うてましたね。だって、面白いんだもん、本気で。これが、五席と審査員特別章の差なんだなー。あたし、ぜひ、「八月つごもりのころ、道の辺にて生き腐りてある」へねもねにお目にかかりたい。何となく可愛いんじゃないかって予感がします。
 この人の場合、でだしの「春はばけもの」があたり前だったのが、季節をおうごとに異常な迫力を増してゆくのがいいですねー。最初がよくって、あとがつまらないのと、最初がつまらなくてあとがいいのとじゃ、断然後者の方が印象がいいです。

という作品です。このまま埋もらせるのが惜しくここにオンライン化しておきます。


にゅるん
苦情、御質問はzzvまで、お願い致します。
Last modified: Wed Feb 17 07:29:09 1999