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人工知能の行動システムのアーキテクチャは,感覚情報から問題空間を記述し,
行動計画をたてて,動作実行するというように,感覚から動作への流れを推論シ
ステムを通してシーケンシャルに進めてゆくという考え方が普通に考えられてい
る.しかし,高度な知能はないけれども実世界で環境に適応しながら生き続けて
いる昆虫や動物はそのような形ではなく,感覚から動作系への並列機構を持ち,
下位の反射行動が上位の行動から管理されているような構造があるのではないか
ということで, 新しい行動システムの構成法としてサブサンプションアーキテクチャ
がMITの人工知能研究所のRodney Brooks教授により1996年に提唱された.
感覚から動作へという処理の流れのなかで,すべて問題空間の記述と
行動計画をたててから実行というのではなく,反射行動のように
あらかじめ決められた動作を即座に行動する流れもなければ知能をもつように
見える生物の仕組みを理解することは困難であるということを移動ロボットを
作りながらの提唱がなされた.
サブサンプションアーキテクチャは,さらに反射層の流れが上位の流れから
制御されるように構成し,上位層が追加されてゆく際に下位層の作り直しが
起こらないように下位層が整ってゆく構造を目指したものである.
generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日