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物体操作の作業を記述するためには,
作業対象物に名前を付けて,その物体の位置姿勢を管理する
必要がある.そして,その対象物をロボットが操作する際に
ハンド座標系をどのようにその対象物に相対させるかの
計算機構が必要となる.たとえば,図10
のように,台が3台あり,その一つの台に大中小の円板が
3枚積み重なっているような場合に,各台と円板の位置姿勢を
表す座標系が必要となる.図では円板のうちもっとも小さい
円板D1の座標系と台TBの座標系を表示している.
このような座標系を環境に存在する物体の基準座標系として
設定する.
次に,円板D1をつかむためには,図11左に
あるように,ハンド座標系Hを円板D1を
つかむ位置姿勢Gを円板D1のモデルから計算する必要がある.
その際,円板D1がどのように置かれているか,回りに置かれて
いる物で障害物は無いかなどを考えて把握位置姿勢を
計算する必要がある.円柱の場合には,把握位置姿勢は
円柱の軸回りに任意の姿勢でよくなるため,6つの自由度を
拘束する座標系のすべての情報を一意に決めることはできない.
ロボット側の可動範囲や操作性などから適切な解を得る方法
を利用することができる.
把握位置姿勢が決まった後は,環境の物にぶつからない軌道を求め,ロボット
が把握位置姿勢Gに対してアプローチする.対象を把握した後は,その対象物
はロボットのハンド座標系と一体となって移動することになる.次に,その把
握対象物を目標の場所へ移動する際には,図11右のように,
移動先の対象物の形状と位置姿勢から把握対象物の基準座標系の目標座標系を
求める必要がある.この際,把握対象物の形状と移動先対象物の形状から面と
面が設置するための条件を計算することで把握対象物の目標座標系が求まって
ゆく.
操作対象物の形状モデルがあり,動作の進捗に従って把握対象物の移動
に伴うモデルの座標系の管理を行っていれば,対象物を設置する面の
場所と向きの計算が可能となる.また,視覚や触覚を利用できる場合
には,そのモデルの中の情報は予測情報となり,それらの感覚はその
予測情報を確認するという処理になる.確認処理には,その予測情報を
利用して感覚の注視制御が可能となり,比較的簡単な処理となる.
generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日