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2.2 リアルタイムLinux
標準のLinuxカーネルを改良し実時間性を実現したものであり,既存のLinuxア プリケーションを利用可能というメリットがある.リアルタイムLinuxの実現 法は以下の2つの方法がある.
Linuxカーネルのスケジューラには手を加えず,実時間スケジューラを 追加し,標準Linuxカーネルを実時間スケジューラの1プロセスとして扱う方法. 実時間タスクはカーネルモジュールとして実現する.標準Linux のカーネルに は手を加えないため実現は比較的容易であるが,実時間タスクがカーネル空間 に存在するために,プログラムにバグが存在する場合にシステムには致命的な 影響を与える場合がある.RT-Linuxがこの例である.
Linuxカーネルのスケジューラに実時間機能を加えたもの.実時間タス クはユーザ空間のプログラミングにより実現できる.標準Linuxのカーネルに は手を加えるため実現の技術的ハードルは高いが,実時間タスクがユーザ空間 に存在するために,プログラムにバグが存在する場合でもシステムの暴走の危 険性が少ない.TimeSys/RT, ART-Linuxがこの例である.
図 2:
Linuxの構造
図 3:
RT-Linuxの構造
画像はhttp://www.fsmlabs.co.jpより
generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月6日