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2 リアルタイムOS

実時間(リアルタイム)処理とは一般に「導き出された値だけでなく 値が導 き出される時刻によっても計算結果の正しさが決まる処理」あるいは「なんら かのイベントの発生に応答するまでの時間が許容時間内に収まること」と定義 される.ロボットの制御の例で言えば,飛んでくるボールをキャッチするため に1秒後にアームの姿勢をどう決めたらいいかという問題は,正確な結果を計 算するだけでなく,一秒以内に計算し実行しないと正しく動作したことになら ない.あるいは機械の非常停止ボタンの制御ではボタンを押した時点からある 一定時間内にプログラムがそれを検知し機械を停止できなければ,非常停止ボ タンとして正しく動作したとは言えなくなる.
図 1: 画像はhttp://www.sanritz.com/realtime/ ESEC19980710/rtos1998note.pdfより
\includegraphics[width=1.0\columnwidth]{/home/inaba/eps/hoap/realtime.eps}
マルチタスクシステムにおいては,それぞれのタスクのデッドラインが与えら れた場合に,どのタスクをどの順番で行うかを決定する必要があるが,このよ うなシステムはタスクをいつでも中断し他のタスクに切り替える機能が必要に なる.このような機能はプリエンプティブと呼ばれ,プリエンプティブなタス クスイッチが可能な十分に細かい時間管理が可能なスケジューリング機能をも つOSをリアルタイムOSと呼ぶ. リアルタイムOSは,ロボット制御,組立工場,計測,通信などで利用される. 最近はオーディオやビデオを扱うエンドユーザ向けのOSでも実時間性が要求さ れるようになってきている.



generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月6日