Cygwin環境のインストールと設定

岡田　慧

目次

1. はじめに
2. Cygwinのインストール
3. Cygwinのセットアップ
4. パッケージの追加

はじめに

CygwinはWindows上でUnix環境を実現したものです．
Cygwinには 以下の２つの機能が含まれています．
• UNIX API機能をWindows API上で実現するためライブラリ(Cygwin DLL)
• このライブラリを利用したUNIXのフリーソフトウェア(gcc, binutils, cd, ls, more, tar....)
Cygwinを利用することで，まるでUNIXを利用する感覚でWindows上でのプログ ラミングが可能になります．より詳しい情報はCygwin Project のホームペー ジ(http://www.cygwin.com)を参照．

Cygwinのインストール

機械演習室の環境ではドライブO:に共有ディレクトリであるAfserverのapplications が，ドライブP:にホームディレクトリ（各個人のディレクトリ）である，Afserverの[user name] が割り当てられています．

以下のインストールでは共有ディレクトリO:にあるCygwinのパッケー ジを利用し，各自のホームディレクトリP:にCygwinのルートディレク トリを作成します．

1. Setup.exeの実行

   O:\soft-ensyu\cygwin\にあるsetupという実行ファイルがある．
   下の画像では3つのsetupというファイルがあるが，赤丸が付いている 方が実行ファイルである．

   

   Setupをダブルクリックすると以下のような 画面が現れる．ここでは「次へ」を押す

   

2. インストール方法の選択

   次にインストール方法を選択する．ここでは，「Install From Local Directory」を選択肢，「次へ」を押す．

   

3. ルートディレクトリの設定

   次に，Cygwinのルートディレクトリを設定する．ここでは，各自のホームに Cygwinのルートディレクトリを作成するため，P:\Cygwinをルートとす る．また，Install For で，「Just ME」を選択し，「次へ」を押す．

   

4. パッケージディレクトリの設定

   次に，Cygwinのパッケージの置いてあるディレクトリを設定する．機械演習室では，共有フォルダにダウンロードしたパッケージを置いてある．共有フォルダのディレクトリはO:\soft-ensyu\cygwinであり，これを記入し，「次へ」を押す．

   少々時間がかかることもあるのが，辛抱強く待つ．

   

5. パッケージの選択

   次にパッケージを選択する．ここではデフォルトのままでよいので，このまま「次へ」を押す．インストールには若干時間がかかるので待つこと．

   

6. アイコンの作成

   インストールが終わると以下の様な表示がでる．Create icon on Desktopと，Add icon to Start Menu の双方ともチェックしておくと便利だ．「完了」を押し，次へ進む．

   

7. インストールの完了

   下の画面がでたらインストールは終了である．

   

8. 動作確認

   「アイコンの作成」の手順でCreate icon on Desktopをチェックしておけば， デスクトップにCygwinのアイコンが出来る．これをダブルクリックするとCygwinが立ち上がる．以下のような画面が出れば，インストールは成功している．

   

Cygwinのセットアップ

Cygwinを各個人向けにセットアップする．以下ではユーザ名をk-okada，ある いは[user name]として説明する．従って以下の説明で，k-okadaあるいは [user name]と出てきたところは，各自のユーザ名に読み替えること．
1. ホームディレクトリの作成

   各自のCygwin用のホームディレクトリを作成する． P:\cygwin\home\[user name]などのディレクトリを作成する．[user name]は各自のユーザ名である．

   Cygwinから mkdir コマンドを 利用して作成することもできる．その場合は以下のようにする．

   $ cd /home
   $ mkdir k-okada
     

2. cygwin.batへのホームディレクトリの設定

   ホームディレクトリを作成すると， cygwinへのホームディレクトリの設定が必要になる． P:\cygwin\cygwin.batを編集し以下のようにする． 編集の仕方はcygwin.bat (歯車のアイコンがついている方)　に カーソルを合わせて右クリック→編集とすれば，メモ帳で編集できる．

   @echo off
   P:
   chdir P:\cygwin\bin
   set HOME=/home/k-okada
   bash --login -i  
     

3. .bash_login の作成

   各自の.bash_login を作成する． P:\cygwin\home\[user name]\.bash_loginを作成する． cygwinを立ち上げた後，

   $ cd
   $ pwd
   /home/k-okada
   $ touch .bash_login
     

   　とし，メモ帳などを利用してファイルを編集すればよい．.bash_loginの中 身は　以下の様にすると利用しやすい．また，.bash_loginを修正した場合は， cygwinを再度起動（デスクトップ上のCygwinをクリックする）しないと，修正 が反映されないので注意すること．

   PS1='\h [\w] % '
   set bell-style none
   
   # win32 paths
   export PATH="/cygdrive/c/WINDOWS:/cygdrive/c/WINDOWS/system32"
   # cygwin paths
   export PATH="/bin:/usr/local/bin:/usr/X11R6/bin:$PATH"
   
   alias ls='\ls --color -CF'
   alias rm='\rm -i'
   alias cp='\cp -i'
     

4. 動作確認

   デスクトップ上のCygwinのアイコンをダブルクリックし，ls -al や， ls / としたときに，以下のような画面が出れば，設定は成功している． .bash_history は，存在しないこともある．

   

パッケージの追加

デフォルトの設定ではless, more などのコマンドがインストールされておらず 不便である．利用できるコマンドを増やしたい場合はパッケージの追加を行う．

方法はインストールと同様に， O:\soft-ensyu\cygwin\にあるsetupを実行する．

Cygwinのインストールと同様に， Setup.exeの実行，インストール方法の選択，ルートディレクトリの設定， パッケージディレクトリの設定と進む．

次の，パッケージの選択では，スクロールバーを動かして，以下の画面のようにする． less, more は Text というカテゴリに入っているので，以下の画面で Category 列のTextという文字列をクリックする．



すると下のような画面に切り替わる．ここで， Package 列をみて，less やmore を探す．次に，その行の New 列が Skip になっているの で，Skipとかかれている文字クリックする．374-1 や 2.11o-1 はバージョン番号である．バー ジョン番号が表示されているものは，それがインストールされる．



あとは，インストール時と同じように「次へ」ボタンを押せばよい．