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対象物の濃淡が背景と異なる場合に
濃淡画像の閾値処理によってその対象を切り出すことができる.
閾値処理においては閾値をどのように決めるかは重要となる.
濃淡値の分布から閾値を決めて2つの画素集合に分けるために
画像のヒストグラムを利用する方法として,P-tile法,モード法,
判別分析法がある.P-タイル法は,ヒストグラム中の対象が
占める面積割合がわかっている場合にその割合のパーセンテージに
あたる濃度値を閾値にする方法である.モード法は,ヒストグラム
に山が2つあり,その谷の部分の濃度値を閾値にする方法である.
判別分析法は,画像を2つのクラスに分けるとして,2つのクラスの平均値の
分散(クラス間分散)と各クラスの分散(クラス内分散)の比(判別比)が最大
になるように閾値を探索するという方法である.具体的に,
全体画像の画素数
,平均濃淡値と分散を
,
とし,
クラス
の画素数
,面積比
,
平均濃淡値
,分散
とすると,
クラス間分散
,クラス内分散
と判別比
は,
となる.
は閾値とは関係なく定数になるので,判別比を最大にす
るにはクラス間分散
を最大にすればよい.そこで2つのクラスに
分ける場合には,ヒストグラムより,閾値tを変化させながら,
と
を計算し,
を最大にするtを求めればよい.
クラスを3つ以上に分ける場合には,
個の閾値が順に並ぶことから
動的計画法を用いて求めることができる.
generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日