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5.6 両眼立体視計算

両眼立体視では左右の画像から対応点を得ることが大きな問題となるが,3章 で取り扱った相関演算による対応付けや対象の形状の特徴的な部分を両画像か ら探し出すことによって点の対応を取ることで可能となる.対応点が得られて からの距離計算は以下のようになる. 図17のように,両方の視野内にある点$V$の左眼及び右眼からの距離 をそれぞれ,$d_1$$d_2$と表す.左眼及び右眼から$V$への方向ベクトルを それぞれ${u_1}$${u_2}$ とすると,左眼から$V$へのベクトル$V_1$,右眼から $V$へのベクトル$V_2$は,それぞれ,
$\displaystyle V_1 = d_1{u_1}, V_2 = d_2 {u_2}$     (65)

となる.ここで理論的には,
$\displaystyle V = {\rm R_1} V_1 + t_1 = {\rm R_2} V_2 + t_2$     (66)

が成立するはずであるが,計測誤差又は較正誤差により実際には成立しない. そこで,$d_1$$d_2$を変数とする評価関数$J$を次のように決める.
$\displaystyle J(d_1,d_2) = \vert({\rm R_1}V_1 + t_1)-({\rm R_2}V_2 + t_2)\vert^2$     (67)

$J$を最小にするように,$d_1$$d_2$を求めると以下のようになる.
  $\textstyle d_1$ $\displaystyle = K((U_1 \cdot D)-(U_1 \cdot U_2)(U_2 \cdot D))$ (68)
  $\textstyle d_2$ $\displaystyle = K((U_1 \cdot U_2)(U_1 \cdot D)-(U_2 \cdot D))$ (69)
    $\displaystyle K =\frac{1}{1-(U_1 \cdot U_2)^2}$ (70)

ただし, $U_1={\rm R_1}{u_1}$ $U_2={\rm R_2}{u_2}$$D=t_2-t_1$ 視覚基準座標系における点$V$の座標は,次の式で求めることができる.
$\displaystyle V = \frac{1}{2} (d_1U_1 + d_2U_2)+ \frac{1}{2} (t_1 + t_2)$     (71)

${u_1}$${u_2}$は左右画像中の対応点の位置とカメラの内部パラメタから求めること になる.

generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日