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1.1 リンク機構の記述

ロボットアームの空間リンクを解析するために図5のように, 座標系を設定すれば,座標変化を同一形式で扱うことができる.座標系 $\Sigma{_{i-1}}({\rm O_{i-1}-X_{i-1}Y_{i-1}Z_{i-1}})$がリンク$i-1$に固 定されているものとする.
図 5: リンク機構解のための座標系
\includegraphics[width=8cm]{/home/inaba/text/iwanami/inaba/chap4/link-Aparam-org.eps}
リンク$i$に座標系 $\Sigma{_i}({\rm O_i-X_iY_iZ_i})$を固定する場合に,リ ンク$i$とリンク$i+1$の連結部のジョイント$i+1$の軸を$Z_i$軸として選ぶ. $Z_{i-1}$軸と$Z_i$軸の共通垂線を考え,この共通垂線と$Z_i$軸の交点を $O_i$$Z_{i-1}$軸との交点を$P_{i-1}$とする.$O_i$$\Sigma_i$の原点と し,$P_{i-1}$から$O_i$に向かう直線上に$X_i$を定める.$Y_i$軸は右手系の 座標系を構成するように定める.このようにして決定された座標系$\Sigma_i$ をリンク$i$に固定されたものと考える.$Z_{i-1}$軸と$Z_i$軸のなす角を $\alpha{_i}$$X_{i-1}$軸と$X_i$軸のなす角を$\theta_i$ $a_i=\overline{\rm P_{i-1}O_i}$ $s_i=\overline{\rm O_{i-1}P_{i-1}}$と すれば, $\Sigma{_{i-1}}$$\Sigma{_i}$の間の座標変換は,4つのパラメタ $\alpha{_i}$$\theta{_i}$$s_i$$a_i$ を用いて次式のように表される. これら4つのパラメタによる記法はデナビット-ハーテンバーグ記法(D-H記法)と呼 ばれる.
$\displaystyle \left[
\begin{array}{c}
X_{i-1} \\
Y_{i-1} \\
Z_{i-1} \\
1
\end{array}\right]$     (1)
$\displaystyle =\left[
\begin{array}{cccc}
c\theta_i & -\cos\alpha{_i}s\theta_i ...
...
\left[
\begin{array}{c}
X_i \\
Y_i \\
Z_i \\
1
\end{array}\right]
\nonumber$      

この4次の座標変換行列を$A_i$とする.ジョイント$i$が回転の自由度の とき,$\Sigma{_i}$はリンク$i$とともに,リンク$i$の軸すなわち$Z_{i-1}$軸 のまわりに回転する.このとき,$\theta{_i}$がジョイント$i$の回転角を表す 変数となる.パラメタ$a_i$$s_i$$\alpha{_i}$はリンク$i$の形状に よって決まる定数であり,$A_i$$\theta{_i}$の関数となる.ジョイント$i$が 伸縮の自由度の時には,$s_i$が変数であり,$\theta{_i}$$a_i$$\alpha{_i}$ が定数である.

generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日