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6.4 紐とリングの認識

図 21: 紐とリングの追跡
\includegraphics[width=6cm]{/home/inaba/text/iwanami/inaba/chap4/rope_tracking.eps} \includegraphics[width=6cm]{/home/inaba/text/iwanami/inaba/chap4/rope_ringtrack.eps}
21に紐の端点の探索過程における線分ウィンドウの移動 例を示す.まず最初に水平線分ウィンドウで縁点を検出し,縁点間の距離と 平均明るさをあらかじめ与えてある紐のパラメタと比較して紐の候補を得る. 次に,小さなウィンドウを候補の中心に設定し,ウィンドウ内の線画抽出をお おなう.もし,一対の平行線があり,その感覚が日もの太さから予測できる値 に近い場合に,その候補を紐とみなす.紐の中心線の正確な位置と方向,平均 明るさ及び幅を計算し,この後の追跡処理に利用する. 線分ウィンドウの位置,方向を次式のように制御している.
  $\textstyle Q_i$ $\displaystyle = P_i + d・(\hat{x}・cos(A_i)+ \hat{y}・sin(A_i))$ (76)
  $\textstyle A_{(i+1)}$ $\displaystyle =
cos^{-1}(\hat{x}・\frac{P_{(i+1)} - P_i}{\vert P_{(i+1)} -P_i\vert}$ (77)

ただし,$d$は外挿のための定数,$P_i$$A_i$はそれぞれ紐の第$i$番目の中心位 置と方向角,$\hat{x}$$\hat{y}$は画像座標の基本単位ベクトルである.線分ウィンドウにそった紐の中心位置検出を行って$P_i$を得ることにより, 次の中心位置の予測値である$Q_{(i+1)}$を上式により決める. 図21の線分ウィンドウ6のように,$P_i$の検出が失敗す ると,点$Q_{(i-1)}$と点$P_{(i-1)}$の間を2分け法により紐の端点検出を行 う. リングは画像中で楕円形の形状を持つ領域として映る.初期状態においてリン グの位置を予測できない場合には,紐と同様の手法を用いてリングを探索する. リングの中心位置を発見するため,水平と垂直の線分ウィンドウを交互に用 いる(図21右参照).第$i$番目の線分ウィンドウにそって解析 を行うことにより,2つの紐状領域の中間位置$P_i$を得,その点を中心にし て$i+1$番目の線分ウィンドウを設定する.この解析は, $\vert P_i - P_{(i+1)}\vert
< 1.5 $になるまで繰り返され,リングの中心位置を得る. 両眼立体視を1台のカメラで実現するために,4枚の鏡を内蔵するステレオ・ アダプタを用いる.これにより,1枚のTV画面の左側半分が,左眼入 力画像に対応し,右半分が右側入力画像に対応することになる.紐の端点,リ ングの中心点等に対して左右の画像中から対応する点を抽出し,視覚基準座標 系における位置を計算する.左右別々に求めた対応点の候補が追跡ミスによっ て実際の対応点でない場合のためにエピポーラ・ラインの近傍に対応点が存在 するかどうかのチェックと,奥行方向の距離が予測される空間内にあるかどう かの検査を行う.

generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日