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6.6 視覚による紐の誘導

図 23: 紐の誘導
\includegraphics[width=6cm]{/home/inaba/text/iwanami/inaba/chap4/rope_visualguidance_into_ring.eps}
紐の先端に対する円筒状の目標空間(ガイド・チューブ)を設定する. 図23を設定する.図19にその具体例を 示す.紐の先端部がガイド・チューブ内に常に存在するようビジュアル・フィー ドバックをかけ,紐をリングに通す動作を実現している.ガイドチューブは $G$に設定された座標系における中心座標ベクトル $C_i(C_{xi},C_{yi},C_{zi})$,長さ$l_i$,半径$r_i$で表現される.視覚に より紐の先端がガイド・チューブに入っているかどうかを判定し,入っていれ ばこのパラメタを次の誘導のために交信するという処理が繰り返される. 第$i$番目のガイド・チューブに対する判定条件を紐の先端の位置の座標系 $G$における位置ベクトル $R_i = (R_{xi}, R_{yi}, R_{zi}, 1)$を用いて次の 式で与える.
$\displaystyle \sqrt{(C_{xi} - R_{xi})^2 + (C_{yi}-R_{yi})^2} < r_i$     (79)
$\displaystyle \vert C_{zi} - R_{zi}\vert < l_i/2$     (80)

紐の先端の位置ベクトル$R$は,視覚により計算して得られるベクトル $R_{inC}$$G$座標系の表現行列$G_{inC}$を用いて $ R = (G_{inC})^{-1}
R_{inC}$として得られる.ガイド・チューブ内に紐の先端が入っていない場合 には,偏差ベクトル$C_i - R_i$より,視覚座標系における動作ベクトル $G_{inC}(C_i - R_i)$を行動系へフィードバックする.行動系は,与えら れた操作ベクトルをハンド・アイ・キャリブレーションにより得られた変換行 列によってアーム座標系における操作ベクトルへ変換し,ハンドの位置を修正 する.修正量$x_{inA}$は,
$\displaystyle x_{inA} = T_{CtoA}G_{inC}・(C_i - R_i)$     (81)

となる. ガイド・チューブの軌道及び,サイズは,常時観察しているリングの位置をも とに修正される.フィードバック中のリングの位置をもとに修正される.フィー ドバック中のリング位置の計測結果を保存し,計測の失敗および異常動作を検 出するために利用する.紐とリングの相対位置が異常に変化した場合にはガイ ド・チューブの再設定を行い,カウンタ$i$を減じることによって紐の誘導を やり直すことができる.

generated through LaTeX2HTML. M.Inaba 平成18年5月7日